「アンガーログ」を知っていますか?
私は友人から教えてもらったのですが、アンガーログによって、
コミュニケーションが円滑になるなどのメリットが得られます。
自分は怒りっぽくない!という人ほどオススメなので、今日はアンガーログについて紹介したいと思います。
1. アンガーログって?
アンガーログの話をする前に、アンガーマネジメントについて説明したいと思います。
アンガーマネジメントは聞いた事がある、という人もいるかもしれません。
「日本アンガーマネジメント協会」という組織があって、アンガーマネジメントの講師とよばれる人たちがいる、というのはSNSなどでも有名で、時にはネタにされていたりもします。
日本アンガーマネジメント協会によると、
1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングです。
怒らないことを目的とするのではなく、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標としています。
当初は犯罪者のための矯正プログラムなどとして活用されていましたが、時代の変遷とともに一般化されていきました。
つまり、怒りの感情に振り回されるのではなく、
原因を知って自分でコントロールしよう、という考え方です。
アンガーログはその実践の手段の一つです。
「怒らない」ことが目的ではない
よくSNS上では、「アンガーマネジメントをやっている人は怒らない」かのように誤解をされているのが見受けられます。
(アンガーマネジメントをやっている人を怒らせるネタなど)
でも結論から言うと、アンガーマネジメントのできる人も怒ります。
なぜなら、アンガーマネジメントは怒らないようになることが目的ではないからです。
アンガーマネジメントの目的は、
自分の怒りの原因を知ることで、怒る必要のない事は怒らなくて済む人になることです。
自分の怒りの原因「コアビリーフ」を知ろう
人が怒ってしまう背景には「コアビリーフ」 があると考えられています。
コアビリーフとは、簡単に言うと、自分自身の価値観のことです。
怒りが起こる背景には「コアビリーフ」というものが起因しています。コアビリーフとは”自分自身が正しいと思っている信念や価値観”のこと。例えば、”目上の人には敬語を使わなければならない”といったようなものです。出来事そのものが怒りを生み出しているわけではなく、独自の価値観と照らし合わせた時にそぐわないから怒りが生まれる、というメカニズムなのですね。
(https://u-note.me/note/47499482)
哲学の世界でも、「人は自分の知識や経験に基づいてしか判断できない」的なことは多くの哲学者が発見してきたことです。
これについては人の知識や経験を通して世界を見ることは不可能なのでどうしようもないです。
人によって価値観が違うことは全く問題ないのですが、その価値観の違いから怒りの原因も人によって違う、ということは理解しておく必要があります。
そして自分の怒りの原因となる価値観をよく知って、言語化できるようにしておくことが重要です。
そのために役立つのがアンガーログです。
2. アンガーログのつけ方
アンガーログには色々なやり方があるので、自分に合ったやり方を見つけるのがよいです。
ここでは日本アンガーマネジメント協会が提唱するやり方を紹介します。
記録する内容は、「日時」と「場所」、「何があったか(事実)」「思ったこと」、「怒りの強さ(1~10。10は人生最大の怒り)」です。
たとえば、下記のように書きます。
・日時:1/14 8時頃
・場所:駅
・何があったか:人にぶつかられたが、謝らずに行ってしまった
・思ったこと:謝りなさいよ
・怒りの強さ:3
アンガーログをつける時の注意
アンガーログは、あとから冷静になってつけるものではないという点に注意しましょう。
イラっとした時、すぐにスマホや手帳を使ってつけることが大切です。
すぐにつけるのが難しい時でも、なるべく早く、覚えているうちに書くことが大切で、
反省や分析をしながら書いてはいけないそうです。
反省や分析をしながら書いてしまうと、自分がなぜ・何に・どのくらい怒るのかが正確に記録できないからだと思います。
私はスマホのメモを利用して書いていますが、
アンガーログ専用のアプリもあるようなので、試してみてもいいかもしれません。
3. アンガーログをつけてみて変わったこと
アンガーログをつけてみて良かったことは、いったん立ち止まること、冷静になること、言語化することができるようになってきたことです。
もちろん全て完璧ではないものの、一度そうしようとする時間をとれるということで、アンガーログは役に立つと思います。
「なんかイライラする」が減った
アンガーログはイラっとした時にすぐ記録するので、
記録している途中に手が止まり「なんか大した事じゃないな」と怒りが消えてしまうことも少なくないです。
怒りが消えない時は、記録する手が止まらず、
怒りの原因がちゃんとわかるので、「なんかイライラする」というのはほぼなくなりました。
怒ってしまう事態を未然に防げる
アンガーログによって自分が何に怒りやすいのか、傾向をつかむことができます。
例えばミスを指摘された時にイラっとしやすいのであれば、
事前にミスがないか自分から確認をしてもらうなど、原因によっては自分の行動で怒ってしまう事態を未然に防ぐことも可能です。
対人関係がうまくいくようになった
怒りを分析したうえで、たとえ原因が相手にある場合でも、それをきちんと言語化して相手に伝えることができると、対人関係における問題の解決率があがります。
子供は感情を素直に表現する子が多いですよね。
でも大人になって社会性が身に付くにつれて、次第に建前をつくることを覚えていきます。
もちろんそれは大切なことですが、建前ばかりに集中して本音をしまい込むことを続けていると、どんどん感情の言語化が下手になってしまうのではないかと思います。
私も感情の言語化に慣れていなかった時は、すごく時間がかかってしまうので、
苦痛な作業でしたが、次第に慣れます。
感情の言語化に慣れてくると、怒りの場面以外においても、コミュニケーションがうまくいっていると感じることが増えました。
4. 感情をコントロールすることについて
怒りの感情には必ず原因がある、というのがアンガーマネジメントの考え方です。
「感情は感情だから理由なんてない、感情のままに従うほうがメンタルにも良い」という考え方もあります。
確かによく、泣きたい時は思いっきり泣いた方がいいとか、辛い事は口に出したほうがいいとか言いますよね。
個人的には上記のような考え方には賛成です。
でも、怒りに関しては違うのではないかと思っています。
なぜなら、不必要な「怒り」は人に迷惑をかけ、対人関係の悪化の原因となることも少なくないからです。
「怒り」は対人関係を悪化させる
もちろん、必要な時には怒るべきですが、
「あの人何怒ってるの?」
「よくわからないから関わるのはよそう」
と思われてしまうと、そのコミュニティで非常に居心地が悪くなってしまう、
あるいは仕事であれば、大きな損失になってしまうなどの結果が予想されます。
アンガーログは怒りという感情をコントロールしますが、
感情を無理に制御するということではなく、原因を分析した上で怒る時には怒るということです。
つまり、原因を分析した上で、自分が行動を変えるべきだと思ったら行動を変える。
相手が行動を変えるべきだと思ったら、理由とともにその旨を相手に伝える。
怒る場面だと思ったら、なぜ・誰に・何に対して怒っているのかを明確にして怒る。
これなら、「あの人何怒ってるの?」という事態にはならずに、
問題が前に進む可能性が高くなりますよね。
まとめ
アンガーマネジメントは怒らないことではなく、無駄な怒りをコントロールし、問題を前進させるような怒り方ができるようになるのが目的です。
アンガーログはそのための手段のひとつです。
イラっとしたらすぐにつけることで、自分の怒りの原因となっている価値観(コアビリーフ)が次第にわかってきます。
原因によっては対策をして、問題を未然に防ぐこともできますし、
言語化することによって、問題が前進する可能性が格段に上がります。
専用のアプリなどもあるので、試してみてはいかがでしょうか?